ショービズの魔物を倒した勇者、ピーター・フランプトン


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・・・私が洋楽ロックを聴き始めた70年代後半、ものすごく売れたアルバムがありました。ピーター・フランプトン「フランプトン・カムズ・アライヴ」(写真)1976年に出した上記ライヴ盤が、2枚組にもかかわらず、1,000万枚を売り上げ「一家に一セット」とまで言われました。まあ80年代になってからは、マイケルやマドンナに抜かれはしますが。当時ビルボードのチャートとかに興味を持ち始めた頃で、観ると「またこいつが1位か!」って思ったもんです。


Peter Frampton「Show Me The Way」(1976)


でこの曲とか大ヒットしました。ご覧の通り、アイドル顔のイケメンです(笑)英米では相当キャーキャー言われたようです。彼はロンドン子で、あのデビッド・ボウイの学校の後輩で仲も良かったとか。並ぶ姿はさぞ麗しかったでしょうなあ(笑)。


それだけじゃなく彼はギターも曲作りも上手い。熱いプレイもするし独創性も高い。彼の愛機ギター、アルバムのジャケットにも写っている「3ピックアップ・レスポール」と含めて、我々当時のギター少年の憧れの的でした。


その彼は、今、どうなっているかというと……


Peter Frampton「Show Me The Way」(2008)


いや彼をおとしめる意図はありません。でも当時の女性ファンはショックかもなあ。


でもしかし、後退したのは髪の毛だけで(爆)彼の歌とギターは、年を経てますます円熟味を増し、音楽も喜びにあふれた素晴らしいものになっています。(ココ重要!)


大ヒットしてキャーキャー言われた後、良くある事ですが彼も金銭トラブルやレコード会社の搾取に遭い、ほとんど無一文になってしまう。彼は先輩のデビッド・ボウイのツアーギタリストになったり、腐る事無く小さなクラブでドサ回りを、地道に何年も続けたそうです。で、少しづつ人気が回復していく。よかったよかった。


Peter Frampton「Invisible Man」(2010)


今んとこの彼の新曲ですが、モータウンソウルにヘヴィなギターを加えたような、彼の真骨頂です。同世代のオヤジミュージシャンに囲まれて充実して幸せそうです。この若々しさと円熟が同居する様子は、ロックビジネスの「魔物」に酷い目に遭いながらも、屈せず戦い、練習と節制を守った証しですね。クラプトンみたいに生き神様とまでは行かないけれど、彼も間違いなく「ロック・レジェンド・サバイバー」の一人です。