会津若松七日町


某ネット友の姐さんとオフで逢った。先様が所用で新潟〜福島の旅をするという。ので、そのついで中間地点の会津若松辺りはどうかということになったのだ。


幸か不幸か会津若松には、このたびの事故で町役場が移転した関係上、数度足を運んで土地勘がついてしまった。で、「大通りや鶴ヶ城よりも、七日町(なぬかまち)という通りが古くて面白いのだ」という情報が入ったので(誰から聞いたっけ?謎?)そちらへ行ってみたのだ。


まあツラと性格はお互いに分かっていたので、ときめきのドラマもなく(……をい爆)すかっと目的地へ向かった。


この町の市バスはデザインがしゃれている。レトロ調深緑のボンネットバス「ハイカラさん号」と、名物玩具赤べこをあしらった「赤べえ号」と2種類あって、双方小型で可愛いのだ。運転手さんが女性だったりもする。


ものの十分ほどで七日町に着く。なるほどレトロな通りだ。駅隣接の「駅カフェ」は、明治時代風の小さな木造のたてものに、土産物とちょっとしたドリンク&ケーキが頂けておしゃれっぽい。そこから通りを歩くが、そこかしこに江戸時代からの商家や造り酒屋、明治時代のブロック・レンガ造りの店が建ち並び、なんともいえない風情がある。さすがに会津、歴史ある城下町の名に恥じない。


同行のねーさんは写真とりまくり。路地を右に左に怪しいカメラ小僧だ(笑)誘惑に抗きれず、造り酒屋で利き酒などもする。ほろ酔い。(^^)


で、ふとみると、一件の古い店に「焼き鳥、バリ島雑貨、ジャズ喫茶、真空管アンプ制作受けたまわります」と張り紙がある。私は絶句する。これ全部一件の店でやっているのである。対面販売できる焼き鳥ブースの横にショーウインドウがあり、店主の自作したのであろう真空管アンプが数台飾られている。中をのぞくと、これがバリ島雑貨なのであろうか、竹細工、籐細工のポーチやバッグ、タペストリー等も並ぶ。これは怪しい。非常〜〜〜に怪しい店である。こりゃあもう是非、入るしかあるまい。


■ジャズ喫茶ラグ紹介
http://www.fukulabo.net/shop/shop.shtml?s=1801


重厚な、黒い木造の店内。黒光りするテーブルは、見たとたん落ち着いて、どっかと腰を据えてしまう。いにしえのジャズ喫茶にふさわしい。もう私何ざ朝から晩まで入り浸って、じっと頭抱えて音楽に没頭しそうだ。しゃべらずにコーヒー1杯でずーーっといるヌシ。笑。


入って奥のスピーカーを見てびっくり、国産の伝説的名器と呼ばれた三菱のR205が鎮座していたのだ。これは昭和50年代の物ではないのだろうか、実物は初めて見た。NHKなどの放送局向けに開発されたため台数も少ない幻のスピーカーだ。今でも3〜40万はざらに値がつく。


当然かかっているのはジャズ。(ヘレン・メリルかな?)アナログレコードかと思いきや、残念、CDであった。マスターに「アナログが聞きたい!」とわがままを言ってみる。と、「残念だけど、イコライザーアンプが修理中で、今は駄目なんです。」とおっしゃる。本当に残念だ。


その他、マスターがお好きなバリ島についてもお伺いする。「島の人は皆宗教を信じていてまじめです。いつも神様が見ているといって曲がった事をせず働く。この織物も、母と娘が二人して、こつこつ1年かけて織るのです。」という。なるほど素晴らしいものであることは素人目でも分かる。


で「焼き鳥」は、奥様が焼いているようである。どうもこの建物が元々、食堂居酒屋だった雰囲気である。せっかくの設備だからということか。ちなみに後で調べたのだがこの店、カレーがすこぶる旨いらしい。ジャワカレーならぬバリカレーか。


古い通りに古い店。マニアックなマスターと音楽。これはいい。大好きな世界である。イコライザーアンプが治ったらまた来ようと、心底思ったのでした。「オフ会は会津だなっ!」と、ねーさんものたまっておられるし。爆。