諸外国から


阪神大震災のときもそうだったが、今回の震災でも、諸外国から「日本人の冷静さと忍耐、それと優しさ」に、賞賛の声があがっている。これが唯一、今回の震災での救いかもしれない。


仏教精神とか言う人もいるが、「騒いでも始まらない」という、日本人の無駄を嫌う合理精神のほうが出ている結果だと思う。先を読んで何が得か損か瞬時に考える能力・・・と書くと何か計算高くていやらしいが、これも自然を相手にしてきた農耕民族の「期を待つ」DNAではないか。


優しさにしても、家を流されたばーちゃんが助けに来た米兵に「何もないけど」といって、持っていたせんべいを渡す。美談であるしそれを揶揄する気はないが、こういう謙譲もまた、集団生活を円滑にすることが、ひいては自分を安寧にすることになるという、昔からの農耕民族的知恵ではないか。


・・・と、書いていて何か、プラグマティックになってきたな。


しかしながらやはり、この有事に臨んでパニックや暴動や略奪も起こらず、黙々と復旧にいそしむみんなの姿は立派。諸外国に誇るべきものでした。


しかし外国の報道が、特に原発事故については、めちゃくちゃ大げさになってるところもあるそうだ。「福島には巨大なきのこ雲が上がり、近県は累々とした屍の山、渋谷・新宿でも、ビルが溶けてなくなっている!」とか。おいおいいい加減にしろよ(^^;;


で、外務省はこの「過剰報道」に対して、ちゃんと文句を言ったのだろうか。ユニークな山形弁で知られた外人タレント「ダニエル・カール」さんが、ようつべで「外国の報道は嘘八百、憶測での報道に厳重に抗議する」というビデオを掲載したと聞く。ねーー、彼のほうな人が本当にありがたいよね。仙台出身のロックバンド「モンキーマジック」のブラント兄弟も、地元宮城県で、黙々とボランティアで瓦礫の片付けを手伝っているそうな。「このまま逃げ出してカナダに帰る気は一切ない」と。東北人だ。