現実と理想のハードル


・・・ちょっとメンタルヘルスに関するニュース2件。


■「末期がんで余命1年」は嘘 闘病ブログ炎上、記事削除
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100413-00000005-jct-soci


・・・この女性、自分は胃がんで「死ぬ死ぬ」とブログで発言していたんだな。で、支援者とのオフ会なんかも行ったと。それが真っ赤な嘘だった。胃がんになっていたのは事実だが、09年には完治し、その後のケアも必要ない状態で「病気を装い、悲劇のストーリーを創っていました。ごめんなさい」と謝罪したと。


・・・まあ多額の金品を騙し取ったとかはしてないみたいだが。それにしても他人の好意を踏みにじるこの行為は、許されるわけはない。が、しかしながら、嘘の裏に、この女性のやるせない寂しさが見える。寄る辺となる人が、いなかったんだろうなあ。嘘を重ね続けるときの罪悪感は、どんなだったろうか。


新型うつ病って昔からあったの!?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100415-00000000-rnijugo-ent


新型うつ病は、「仕事のときだけうつ状態になる」のが大きな特徴で、帰宅後や休日などは通常通り活動できる。例えば、うつ病で療養中でも、海外旅行に行く、趣味に没頭するなど自分が好きなことには活発に活動が行えるのです」


・・・これって「うつ病」といえるのか??(−−;


でもやっぱ会社でだけ調子が悪くなるんだろう。憂鬱になるのは自分もあるけど、身体症状までは出ないなあ。「うつになった原因を自分ではなく会社や上司のせいにする傾向があります」とは、あきらかに逃避&責任転嫁なんだけど。


社会=会社の中で自分の居場所、存在価値に自信が持てない。自分が何者かまったくわからないんだな。その寂しさと不安感は、もう本当に暗闇だ。いたたまれないマイナスパワーが内に向かえばリストカットになるし、外に向かえばこの新型うつ病ってことなのかな。会社で暴れることも出来ないから。


・・・この二つ、どうも根っこは、同じような気がするんですね。自分というものをどう発見し、現実の中でどの位置に置き、どう折り合いをつけるのか。それは人間にとって、皆飛び越えなければならないハードルなんだけど、なんというか、そのハードルが、年々高くなってるように思うのです。


現実側・会社組織の側は、競争競争で忙しく冷たくなってるし、人材育成といっても、こころにまで寄り添って育てることは出来ないし、今じゃプライバシーの侵害とか言われる。中にいるワカモノ(?)の側は、いろいろな理想も見聞きして知ってしまって夢は高い。でも自分一人じゃうまくいかなくてズレてて「こんなはずではないのに」と思ってしまう。そこでうっぷんをためて自分をだまし続けていると、ある日、墜落する。


「妥協」は決して敗北でも悪いことでもないこと。絵に描いたようなサラリーマン生活や絵に描いたような恋愛・結婚だけが、価値ではないこと。「ほどほど」「てえげえ」が一番実は難しいことを、もう一回考えてみよう。