大貫妙子「ピュア・アコースティック・コンサート」


国営衛星2、大貫妙子さんの「ピュア・アコースティック・コンサート」の放送を観ました。夜中11時半から1時間半、短いインタビューも2回ほど差し挟んであったが、ほぼまるっと1ライブやったのじゃないかしら。


この「ピュア・アコースティック・コンサート」名前の通り、電気楽器を廃し、ピアノと弦楽四重奏と最小限の打楽器の編成で、22年前から毎年開催されてきました。残念ながら今回の開催で一端終わり、一区切りだそうです。放送された去年のライブではでも、ドラムスとエレキギターが入っていました。


大貫妙子「横顔」
(コレはアコースティック編成ですが、本文とは違うテレビ収録のようです。)


彼女の繊細な歌世界は、電気楽器の編成はそぐわない、という建前ですが、非力な声量をカバーする方法を模索していくうちに、やむなくここに至った、部分もあるのではないかしら。確かに素晴らしく「はまった」世界で美しいのですが、どこか「高級感溢れる」「近寄りがたい」感じもします。若い世代にとってはなおさらそう思うのではないかしら。いや文句は言いませんよ私もファンですから。この編成での音楽世界も好きです。でも、普通のロックバンド編成のライブも、もっとやって欲しいですね。


大貫さんの作る曲は、良く聴くと解りますけど、結構俗っぽい部分もある。出はロック……山下達郎との「シュガーベイブ」ですし、決して趣味的・専門的な音楽ではなくて、広い聴衆に向けた「コンテンポラリーなポップス」だったはずなんです。クラシックみたいな編成でやることで、それ風な曲を増やすことで、聴衆の門戸が狭くなってしまったのなら、それは残念なことだと。同じベテランミュージシャンでも、小田和正井上陽水あたりは、未だに若い新しいファンを獲得しているように思いますけど、昨晩の放送の、見事に高いお客さんの年齢層を観ると、うーん、どうなのかなーって思ってしまいます。


大貫妙子「shooting star in the bluesky」


ともあれこのベテランが元気で活動を継続してくれているのは、本当に有り難いことです。