五輪ヴァリボ終了

・・・はい。五輪のヴァリボ終わりました。最終ブラジル戦は、負けはしましたけど、点数も20点台に乗せ、中国戦よりははるかに良い出来でした。選手&スタッフお疲れ様。目的は終わりました。決勝トーナメント進出という及第点は取れましたので良しとしなければなりません。これで柳本ジャパンは解散し、選手はそれぞれのチームに戻り、冬場のVリーグに備えます。


柳本監督になって6年。本当に女子ヴァリボ面白かった。今解説とかやっている大林や中田が現役のときも入れ込んで観ていましたが、そのとき以上に熱く応援できた。栗原、木村、荒木、今休んでるけど大山も含めて、十年に1人出るか出ないかの才能が複数現われ、苦労しながらも育った。見ているともう、おじさんはいじらしくて可愛くてたまらない(笑)偶然の幸運もありますが、起用した柳本監督の先見の目は評価されるべきでしょう。


シドニーアテネから残った中堅・ベテランである高橋、杉山、そして竹下の姿も、ずっと追っていくと本当に感動した。とくに「世界最小最強セッター」竹下。低身長という、ヴァリボにしてみれば致命的欠陥を持ちながらも、それを速さとテクニックという別な形で克服していく姿は、人間としての生き方のひとつの指針だった。子供たちにはぜひ、挫折を体験したとき、もうダメだと思ったとき、竹下の姿を思い浮かべて欲しい。自殺なんて考えたら、竹下にぶん殴られるぞ。


でも、しかし。結果は世界5位。歯がゆい思いは変わらなかった……。


どうしたらメダルが取れるのか。私にはわからない。レシーブ→スパイクの受身重視、拾ってつなぐ我慢のバレーから、サーブ→ブロックという能動重視・パワー重視が、世界の主流である以上、日本もそれを目指さないといけない。セッターの大型化は是非必要だろう。高い位置で玉がさばけると攻撃が読まれにくいし、やはり打ちやすい。それとセンターブロッカーの強化。選手も監督も、ブロックシステムの研究と練習に、もっと時間を割かなければならない。サーブの強化も引き続き必要だ。


これらのことをやっても、果たしてメダルの手が届くかどうか。第一、素質に恵まれた選手が今後登場してくるかどうか。少子化だしかなり絶望的に成らざるを得ない。


周りの体制も課題だらけだ。テレビや広告代理店と組んでのお金集め・ショービジネス化はやれても、いざ選手たちが夜間練習が必要になっても「規則により出来ない」とか、杓子定規なことを言う。こんな周りの体制でメダルを取れといわれる。


十字架を背負わされて茨の道を歩かされる彼女たちの姿は、これからも続くのだ。そのなかで選手たちは、何に光明を見ていくのか。何を生きがいに生きていくのか。そして私自身は、何を見出していくのだろうか……。