<隣人祭り>って?


国営放送の番組で見たのですが、<隣人祭り>というものが、ヨーロッパから全世界に、徐々に広がっているそうです。


その<隣人祭り>とは何か。言ってみれば、隣近所皆でやるお茶会・お食事会のこと。同じマンションに住む者、同じ地域に住む者。お料理や飲み物を持ち寄って、わいわいと行うパーティーのことです。


「なーんだそんなもの。うちの近所ではしょっちゅうやっているよ」という地域も、日本の田舎などには結構多くあるかもしれません。でも都会だとどうでしょう。マンションの隣人とあいさつしかしない。何をしている人なのか解らない。ってなケースもごくごく当たり前のはずです。ましてや最近は物騒な世の中、隣近所付き合いを敬遠するどころか「怖い」って場合もあるでしょう。


事の起こりはフランス。アパート暮らしのある青年が、隣の老婆の死に、なんと2ヶ月も気づかなかった。都会での老人の孤独死が、我が目の前で現実となりショックを受けたのでしょう。「こんな希薄な人間関係ではいけない!」と、アパートの住人に呼びかけ、本当に少しの人数から<お食事会>を始めていったそうです。


それが、フランスからイギリス〜ヨーロッパ各地に、広がっていったのですね。


隣人祭り>に参加し、少し照れながらも嬉しそうに談笑する人たち。その顔をテレビで見ていて、私はちょっとうるっと来てしまいました。地域の人の絆とは、人間同士の絆とは、やはりかくあるべきではないかと。


確かに、人を受け入れることは、特に現代では、た易いことではなくなりました。家庭の事情、個人の事情さまざまです。金銭的時間的余裕も、心の余裕も必要です。


でも、それを理解した上でそれでもなお、希薄な人間関係はいけないと感じ、あの個人主義の権化みたいな西洋人が行動を起こした。それだけ切迫した問題意識を、皆が持っていたという証拠ですね。


ひるがえって自分の場合どうするか。せめて挨拶ぐらいはちゃんとしようと、そこから考えているのですが、それすらも結構どぎまぎします。情けないですね。