イカ天復活祭2007

コブクロ、レコ大受賞おめでとう。彼らは良いけど、あの番組自体は観てて白けた。随分前からだが首をひねる選出・受賞が多い。事務所の力関係とか、局のレギュラー番組への貢献度、スポンサーのカラミとか、そんな不純な要素が加味されているのがミエミエだ。70年代もそうだったのだろうか。いや、まだマシだったように思う。権威も落ちたものだ。

レコ大に引き続き「イカ天復活祭2007」を見た。予想通り当時のビデオを写してあーじゃこーじゃ言うだけのお気軽番組だ。でも、面白かった。ノスタルジーだし、アマチュアバンドマンとしての自分の過剰な思い入れは否定しないけど。熱かった。

当時あの番組は、テレビ的にヴィジュアルに訴えるバンド、客が引くような「色物バンド」が、確かに多かった。原宿ホコ天が「竹の子族」から「アマバンのストリートライブ」に代わった時期で、その場で受けるためってのもあるだろうが、とにかくインパクト重視、変なことやった方が勝ち、ッテナ空気があった。が、ずーっと見直してみて「イカ天キング」になるようなバンドは、歌唱力・演奏力もやっぱ上手い。その辺は結構ちゃんとしていたんだなと思いましたね。

ただ、ストリートで人気が出たバンドが、最良のバンド・最良の音楽かというと、そうも言いきれないと思う。例えば昔で言えばユーミンのよな、繊細な歌世界を聞かせる人は、ストリートじゃ駄目でしょ? あの番組は、そういう繊細なシンガーソングライターなんかは蚊帳の外で拾えなかった。ヴィジュアルともの珍しさばかりを面白がって深いところを見てなかった。テレビのバラエティ番組の限界。そこらへんが、やっぱテレビと音楽が相容れない所なんだなあ。

ともあれあの時代の「勘違い野郎」の一大イベントとしては、楽しかったし懐かしかったです。今となっては勝手な批判を偉そうに言えるけど、当時は私自身もどっぷり入って観ていたしね。あれだけ社会現象にもなったし人も動かした。アマチュアの力で古臭い音楽とか体制とかをぶっこわせるんだと、つかの間本気で信じたし、実際に出来た部分もあったと思う。