赤ちゃん連れは

・・・東京の山手線で、ベビーカーが電車のドアにはさまれて引きづられる事故がニュースで取り上げられていた。ごく軽い怪我ですんだようだが、一歩間違えれば大変なことになっていた。赤ちゃんとお母さんという「交通弱者」への配慮のなさということで、JRが咎を負っている。

ただ、私が田舎者のせいだろうか。都会のあの混雑の中、べビーカーに赤ちゃんを乗せ電車に乗り込むこと自体、ちょっと無謀だとも思うのだがどうだろうか。

田舎の大家族家庭とかなら、お母さんが用足す間半日ぐらいは、おばあちゃんが赤ちゃんの面倒を見てくれる。近所づきあいが濃密なら、お隣のお母さんにお願いする、みたいなことも可能だろう。それができない都会の核家族は、なんと不幸で、本来の人間関係を損ねているのかと思う。保育所託児所にしても、お金や、わずらわしい書面手続きが先では、とっさの時どうにもならない。

もちろん交通機関の側も、お母さんやお年寄り、障害者などの弱者が、自由に、しかも安全に利用できないのは不備だと思う。でもあの都会の混雑をなんとか失くせ!というのは無茶・理不尽だろう。あの混雑があるかぎり、都会の駅は交通弱者にとって危険であることは、どんな対策をとっても皆無にはならないのではないか。

この事故に限らず、何か事故が起きるたび、供給側・組織側の責任で、利用側はお客さんの理論で責任なし、という風潮に、どんどんなってきている。これも何か変だと思う。個人の自由と責任で、というならば、こういう危機回避も、個人でよく考えて行うべきだ、ということになる。

ちょっと余談になるが、とあるお寿司屋さんの大将は、赤ちゃん連れは入店禁止で追い出すそうである。「泣かれるのはまだいいとして、他の客がいる前でおしめ替えをやられたことがあってね。常識はずれだ。それ以来赤ん坊連れはダメ。問答無用で帰ってもらう」そうである。

子育て中のお母さんには手厳しい意見だが、常識・配慮とはそういうものだ。