元祖・お笑い作曲家逝く

宇宙戦艦ヤマト」の音楽で有名な、作・編曲家の宮川泰先生が逝去されたニュースが入ってきた。ちょっとショックだった。

「元祖・お笑い作曲家」先生はホント、そんな印象だ。テレビでしか拝見してないが、その昔、先生のコンサートがまるまる中継されて、私はそれを観た記憶がある。先生がフルオーケストラを指揮して、佐々木功さんが歌の「宇宙戦艦ヤマト組曲」の演奏と、クラシック・ジャズ・映画音楽スタンダードごちゃまぜのメドレーの2部構成だった気がする。そのメドレー、司会進行も先生がおやりになるのだが、それがまあ、いちいち駄洒落・親父ギャグをかましながら曲紹介していく。正直ちょっと寒いのだが、お堅い音楽をまあ楽しく見聞きできた気がした。

そういえば宮川先生は、昭和30年代後半〜40年代に一世を風靡した伝説の歌番組「シャボン玉ホリデー」の音楽監督の一人であり、これまた伝説のコミックバンド「クレイジーキャッツ」のアレンジャーだった。(「スーダラ節」などの初期作品は、これまた天才の萩原哲晶さんという方の作曲。)もともとお笑いが大好きだったのだね。クレイジーキャッツの一連の映画&音楽は、日本のエンタテイメントの歴史に残るもの。あの冗談音楽のスコアを仕切っていたのが宮川先生だった。

宇宙戦艦ヤマト」は74年、クレイジーの仕事の後からになる。これもまた、SFスペースオペラに、アナログで手の掛かるフルオーケストラ音楽を乗せた手法は、スターウォーズを完全に先取りしていたし、そのスコアの出来はもう言うまでもない。

他にも「ズームイン朝」のテーマなどをはじめ、数々のテレビテーマ、映画音楽を手がけた。同時に自らのジャズコンボ「名匠宮川組」を結成して、ジャズピアニストとしても演奏していた。ただの駄洒落じじいではない(笑)ジャズコンボからフル・オーケストラまでちゃんと「書いて鳴らせる」作・編曲家だった。

インタビュー記事をリンクしておきます。
http://www.musicman-net.com/relay/21/
謹んで合掌いたします。