イチロー選手と「大きな物語」

・・・・野球のWorld Classic、世界選手権で日本優勝! おめでとうございます!

私はバレーボールなどのアマチュアスポーツファン。プロ中のプロとして恵まれた環境と待遇でぬくぬくしている野球は、正直敵視すらしていた。バレーの選手は全日本でもアマチュア会社員だから給料も普通。それどころか食うや食わずで五輪を目指している。方や野球選手はスターとなれば億万長者。選手に罪はないが、この現状の格差に、全然納得が行かないからだ。

しかし、おとといの韓国戦、今日のキューバ戦とは、そんな私でも興奮して観てしまった。すばらしいゲームだった。特にやっぱりイチロー選手。いつもクールな、悪く書けば気取り屋の彼が、優勝インタビューで興奮して絶句気味だったのが微笑ましかった。いち野球少年にもどった瞬間なのだろう。そして「自分のヒットはどうでもいいから、チームが素晴らしいことを伝えたいんです」と言った。新しいタイプの個人主義だと思われていたイチローが、まるで大昔の日本人のような発言だ。

日の丸を背負う「大きな物語」を、彼は凄く意識していた。「チャンピオンになるのは我々だ!」と周囲を鼓舞した発言を繰り返したのが何よりの証拠だろう。裏を返せば「そういって自分にハッパをかけないとやってられない」ほどの緊張感だったのではないか。バレーなどでは毎年ある全世界規模の国際大会。その大きさと重み、そして、それに参加して勝つことの誇りと素晴らしさは、しかもチームで、みんなで分かち合えることの喜びの大きさ。自分は、イチロー選手の姿に改めて、大きな物語を集団で背負い、集団で乗り切っていく、農耕アジア民族日本人の取るべき姿を、見たような気がした。

ゴジラ松井も「オレも行けばよかった〜〜(TT)」って言ってるよきっと。