PSEマーク問題

地元で、うまいと評判のラーメン屋に行った。5〜6年ぶりだろうか。ローカルだがテレビ局や新聞などにも取り上げられた店だ。この手の店は風評ばかりで実際はたいしたことはなかったりするが、ここはおばちゃんが昔からやっていて、地元民はその味を信頼して安心して通っていた店だ。そのおばちゃんもバアちゃんになったが、今でも店に立っている。なんか感動する。喜多方ラーメンとかブームだった頃は行列がすごくておばちゃんも大変だったらしいが、そのおかげで店も自宅もこぎれいになった。今はやっと落ち着いた風だった。顔見知りと言うだけで詳しいことは知らないが、おばちゃんお元気で。

もいっこ。ネットでも話題になっているが、電化製品の「PSEマーク問題」というのがある。経済産業省が示した一定の安全基準を満たしているよ、という電化製品にこのPSEマークは付けられる、いわゆる「お墨付き」である。4月から、このマークがない電化製品は、ディスカウントショップなどでの販売は一切禁止される、のが問題となっているのだ。現在生産されている電化製品は、ほぼ100%このマークはついているし、安全な物だけが売られ、危ない製品は排除されて、消費者にとっては結構なことである。ところが……これが昔の「電気楽器」や「オーディオ用機器」にも適用されると、ちょっと困った話になる。

楽器の世界は変なモノで、昔のモノが重宝され名器と呼ばれていたりする。それは実はヴァイオリンのストラティバリだけではなく、たとえばシンセサイザーなどの電子楽器にも、現在は生産されていない「幻の名器」とよばれる機種がいくつか存在する。当然、中古楽器屋などでプレミアがつき高騰していくわけだが、今後、そういった名器も、電化製品である以上PSEマークがなければ一切取り扱いが禁止される。だから2足3文のスクラップになってしまうかというとさにあらず。その逆で、ヤフオクなどの個人売買に場所を移し、ますます値段は高騰し、多大なゼニが楽器を巡って動くようになる。ゼニが動くとそこには必ず犯罪がおこる。ネットオークションが抱える問題に火に油を注ぐことになる。それでいて肝心の楽器の方は、本当に必要なミュージシャンには届かず、成金の応接間に飾られることになる。全く困った法律で、サカモト龍一教授なども反対運動をしているようだ。

私はというと、はなっからそんな高い楽器は買えない、ので、実は蚊帳の外だ(笑)悪法なのはわかるけどね。ただ中古オーディオが手軽に買えなくなるのは痛い。3月中は「マークなし電化製品」でもまだ買えるので、中古の電化製品を購入するのは今しかないかもしれない。というわけで今日、昔懐かしいカセットデッキを買ってきた。定価5万円のが2千円で録音再生も異常なくできる。こういうものも4月からはゴミか、それともオークションで高騰するか、両極端に分かれてしまうのね。う〜ん、やっぱ悪法だわ。