フィギュアNHK杯を見て雑感


宮原知子は5位、本郷7位、白岩8位 NHK杯
https://www.nikkansports.com/sports/news/201711110000470.html


浅田真央ちゃんが引退して、日本フィギュア、ちょっと成績が落ちるかもと思っていたが、それが出ちゃったかな。元々日本人が、自己顕示のカタマリのこの競技で、世界トップを張ってることが、一種の奇跡なんだけど。


方や女子はロシアの若手の進出が今や全盛。GOE=出来栄え加点、等というよくわからん点数制度にしっかり対応して、前半に全くジャンプを跳ばず、後半に必ず手を上げさせて跳ばせる、徹底した点数稼ぎを叩き込まれて成果を上げている。日本も手をこまねいているとどんどん追い抜かれるぞ。新ルールにしなやかに対応したほうが勝つのだから。


と言っても、果たしてこんな、体育的な点数稼ぎで金メダルを取って、それが本当にフィギュアスケートの真髄と言えるのか。疑問は残る。世間は「金メダルこそ至高」で、いくら美しく感動しても、成績が悪ければ何もならない、スポーツなんだから、って言うだろうけどね。


芸術表現だの西欧の舞踏伝統だのが複雑に要求される摩訶不思議な競技。本来は「俺が、俺が」って性格じゃないとやれないはず。でも日本は、また別な角度から、多分システマチックな徒弟教育制度と、生真面目さを武器に、この競技の頂点に立った。画期的なことだと思う。だから日本人にとっては、フィギュアスケートが「点取り虫的に」システム化されればされるほど、実は有利なはずなのだ。日本のコーチ陣もロシアを見習って、GOE主体の新ルールに早急に対応し、選手にしっかり仕込むべきだと思う。場合によっては「出来の悪い4回転より、出来の良い3回転を」で。


ただしそんな風に、ガリ勉して「1位=金メダル」を取って、それが良いのかどうか、その先に何があるのかは、私もわからないけれど。例えば、札幌オリンピック・女子フィギュアの金メダルは誰だったっけ? ジャネット・リンは何位だったっけ?


ロック音楽で「全米No.1ヒット曲」ってのも大事だけど、1位でも忘れ去られた曲は多く、9位程度だけど永遠に残ったスタンダード曲、ってほうが多いんだよな……なんてことを考える自分は、やっぱりスポーツがわかってないのかもしれない。