わが故郷のニュース


・・・忙しかった間に色々、わが故郷に関すニュースも流れた。立ち入り禁止期間が長くなると。長くなる、んじゃなくて、ほぼ絶望的に帰れない、と言えないもんだから、こういう言い方をするのだろう政府は。


大熊町の中心の駅前商店街は、原発から4、5キロ。町役場とか我が家もそこだ。ここが駄目だとなれば、事実上廃村・廃町だろう。まさに歴史上最悪だ。


危険地帯なんだから廃村にしてしかるべき、という意見もあろう。しかしそれは難民たる我々の、帰還を望み必死に耐えている私たちの心の傷を、こじ広げる意見だ。ひん死の患者にむち打つ意見だ。「あなたは先が無いから、すべてをあきらめて、生きてる周りの者のために、おとなしく最期を受け入れなさい」というのと同じだ。身内が死にそうな時、あなたはそう言えるでしょうか?(よほど悟った宗教家なら、この内容でも説得力を持つかもしれないが……)


自分はでも、是が非でも帰ると思う。もし大熊町が駄目なら、周囲の南相馬か、あるいはいわきへ。県が一応「家賃支援は2年」と言っている。避難生活のそれがめどだろう。2年経ってどこまで立ち入り可能になっているか。ギリギリ立ち入り可能な場所までは、是が非でも帰る。そこがふるさとだから。そこにいることが自然な事だから。


TOKIO山口、DASH村復興へ…現地入りしヒマワリで土壌再生
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110826-00000001-dal-ent


JAXAの「ひまわり作戦」に、TOKIOの連中も本気で協力を始めた。隣町の浪江町津島地区にあるダッシュ村は、原発の北西方向で特に線量が高い。山間部だし除染すら本当はかなり絶望的なのだ。しかし、彼らは「再興する!」といっている。これらも「失った者」なのだ。一緒に歩く当事者なのだ。彼らを私も信じよう。


■体調不良の小澤征爾さん、最終日は指揮=長野・松本
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110827-00000106-jij-soci


今日ついさきほどまでやっていたはずだ。長野県松本市での毎年恒例の斉藤記念音楽祭。バルトークの「青ひげ公」オペラにしては短い1時間前後の舞台だがしかし、全身全霊身を削る指揮ぶりはやはり相当な重労働。無理はしないでいただきたいが・・・。


西洋文化という「強靭な壁」に歯をたて食らいつく人生の小沢さん。ウイーンにいってご病気されたが、やはりヨーロッパの土地の神様精霊様に閉め出されたというのか。西洋の超合理性と、日本人としての感性と、どう折り合いを付けていくのか。小沢さんの人生そのものが、日本人一人一人の指標だと思い注目している。