作詞家:安井かずみさんの番組

[邦楽JPOP]作詞家:安井かずみさんの番組


・・・国営衛星で、作詞家・故・安井かずみさんのヒストリーと代表曲を取り上げた番組をやってました。作詞家を主眼に取り上げて番組が作られるなんて珍しいです。


安井かずみさん。オリジナルの作詞をする以前に、まず「訳詞家」として世に出たそうです。ここも面白いですね。日本人ならほぼ、誰でも知ってるこの2曲の訳詞も、安井さんです。私は知らなかったので、とてもびっくり。(@@)


■ダニエル・ビダル「オー・シャンゼリゼ


岸洋子「ドナドナ」


文学・言葉じゃなく、音楽ありき、それも洋楽派だったんでしょうね。あともともとは画家志望、絵描きさんだったこと。理屈よりイメージ先行ですね。こういった「詞以外のアート」から、感覚的に吸収した部分を、日本語の作詞に生かした。安井さんの詞は、ぱっと読むとさりげなくて、恣意的にとってつけた言い回しとかは少ないのだけど、イメージがよく想起できるせいか飽きません。そこがすごいですやっぱ。


美人で奔放で、ちょっと斜にかまえたお嬢さん。絵を描いて、フランス語を習っていた。おしゃれで贅沢で、ファッションリーダーで恋多き女で……と、書くとなんか嫌な女っぽいですけど(苦笑)でも、そういう人だからこそ、作詞などという過剰な自意識を要求される表現の分野で、傑作を書き続けることが出来たんだと思います。


今回聴き直して、良いなと思ったのがこれ。「逢えない時間が、愛育てるのさ」の決め文句が最高だなと。


郷ひろみよろしく哀愁


最後に、先年亡くなられた加藤和彦さんとのことに話が及びました。安井さん、ご自分の闘病生活を送った際、加藤さんと二人「夫婦で戦って治した」と、エッセイで書かれています。「病気があって私たちは、はじめて本当の夫婦になれた」と。その後、運命は二人を永遠に分けてしまいますが、本当に愛し合っていたんでしょう。改めて合掌いたします。