不二家問題〜職人技より幽霊数値〜

不二家が賞味期限を1日過ぎた牛乳を使ってお菓子を製造出荷。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/fujiya/

ことは食に関した問題。まったくゆゆしきことだ。さらにその後の公表を遅れが隠蔽ではないかと言われ問題は広がる。

何でも、品質担当はこの道30年以上のベテラン職人で、問題の牛乳も、においや味をチェックし、異常がないのでそのまま使おうと、担当が判断したそうだ。「1日過ぎたぐらいどうってことない。冷蔵庫保存しているし、なにより味もニオイも正常だ」という、職人の技と経験の、上に甘えた油断と慢心、モラルの欠如は責められるだろう。賞味期限いつまで、その数字を守りましょうと決めたのに、守れなかった。取り返しのつかないことにでもなったらどうするのか、という、声が上がってもっともだ。

これは悪い。悪いことです。が、しかし………。

弁護するわけではないが、こういう職人の味覚と嗅覚は、信頼は出来るんだよね。だからこの製品は、ほぼ100%、食べても異常なし大丈夫だと思う。

公表が年明けになったこと。これも………難しい問題だと思う。クリスマスを前にした12月の時期に発表しなかったのは、かきいれ時の自社の利益を守るためだ、ともいわれるが。私はそうじゃないと思う。もし師走に発表したら、他の菓子メーカーをも巻き込んで、もの凄い大騒ぎになったと思う。不二家だけの問題ではく菓子業界全体、ひいては日本中が大パニックになったろう。それはできない。だから、不祥事があった工場及び他の工場、会社内部の安全チェックを把握し、再発防止を行ってから、年明け松の明けに、なったのではないか。

取り決めた決まりは守らなくてはならない。相次ぐ不祥事のおかげで、企業の倫理に対するハードルは益々高くなる。高くして当然である。こう言うことが現にあるのだから。

でも、そのハードルを決める基準・根拠が………この場合は「牛乳の賞味期限」だが………往々にして、どこからはじき出されたのか解らない「数字」に依存しているのも確かだ。企業も人も、どこかのコンピュータがはじき出した、幽霊ともいえる数字・数値目標に、振り回され、生死まで決められる。

これは、どこか、おかしい気もするのだ私は。

側にいる血の通った人間、それも信頼できる人間が下した結論より、上から押しつけられた幽霊数字の結論が優先される。そしてそれが倫理だ道徳だという。数字に合わなかった人間は、コテンパンに追放される。集団で社会を形成し、オオヤケという形でそれぞれが責任を持つ以上、仕方がないことなのだろうが。日本はそうなってしまったのだ。

・・・でも、繰り返しますが、不二家さんのこの職人さんは、悪くないとはいいませんよ。やっぱり悪いです。ルール違反なわけだからね。職人技より幽霊でも数値、それがモラルなんだから。でも不買運動不二家潰すぞゴルァ!まではいかない。ちゃんと謝罪と再発防止としてくれたみたいだし、むしろ買います。不二家さん。