西欧文化の果てのシンクロ

シンクロナイズドスイミング世界大会みてますー。世界チャンピオンにもなった立花・武田組も引退。さらに、ある意味シンクロの象徴だった井村コーチも全日本から引退。低迷するんじゃないかと心配していましたが、踏ん張って銀2銅2とメダルを取ってくれました。

外国の選手もそうですが、日本選手も皆、いい顔をしてましたねー。悲壮感とかプレッシャーとかは、テレビの画面からは感じられませんでした。美を争う以上は「ピッ」としてないといけない。仮面の微笑なんですが、「嫌々つけさせられた仮面」ではない。自発性みたいなものを感じました。世界トップを争うだけのレベルと練習をしてきた自信でしょうね。すごかったです。

10点満点連発で金メダルのロシア、演技はただもうため息でした。すげー。で、残念ながらそのロシアの下で、連日日本と2位争いのデッドヒートをしていたスペインは、五輪でも見せた「サルヴァドール・ダリ」の振り付け、独創的ですがさすがに飽きられたんでしょうか。最終日は日本がうち破りました。\(^〇^)/

この競技もフィギュアスケートと同様、表現芸術とスポーツの狭間に居る変な競技です。まったく、わざわざ水の中でこんなややこしいことをしないでも良いのに(笑)でもその奥には、やっぱり西欧の舞踏、バレエとかフラメンコとか、の伝統をひしひし感じますね。プリマ=舞姫を賛美する伝統。

それと振り付け。演技で何を言わんとするかのテーマ設定と、それを構成していく意志。例えば、カナダなんかは、順位は下だけども、テーマと構成は、絶対ハズさない。このあたりが、西欧文化・歴史の上に立脚している点でさすがだなと思いますね。日本等はその点、よほど「これはこうするんだ!」と強く思って演技構成していかないと、曖昧だとうつろで何も伝わらず総コケル可能性がある……んじゃないか。

そしてもちろんこのことは、シンクロに限らず、ポップ音楽や演劇や表現芸術の全てに言えるのではないか。東洋人として違う文化であることを意識して、たとえ極端な奇矯なものでも、ゴリゴリの信念むき出しで表現して行かねば、世界には伝わらないのかなあ………と、そんなことを考えて見ていました。