間違いやすい日本語表現

>「奥様、ジャケットの方お掛けして宜しかったでしょうか?」
>近頃、この何々の方、何々宜しかったでしょうか?という
>訳の分からない日本語がスゴク気になるんだ私は。

・・・前述した森山良子さんの歌。日本語の乱れについて指摘している箇所だが、この歌を知った後、丁度「文化庁国語調査会」なるところが、日本語の表現について調査を出して来た。調査結果自体は味気ない数字の羅列なので割愛するが、ちょっと調べていくとなかなか勉強になるページがあった。

http://www.h3.dion.ne.jp/~urutora/machigaepeji.htm

長い日本語の歴史の中で、誤った使い方をされたまま定着してしまった言い方・慣用句もさまざまあるそうだ。そう言った言葉の本来の使い方が正誤表に整理されていた。私も間違って覚えていたケースもかなりあって、なかなか勉強になりました。以下、ちょっと多量だけど、抜粋しておきます。

■間違いやすい日本語表現………×が誤 ○が正
×愛想をふりまく→○愛嬌をふりまく
×怒り心頭に達する→○怒り心頭に発する⇒「心頭」とは、「心の中」。
×今だに→○未だに
×嫌が上にも/否が上にも→○いや(弥)が上にも⇒いよいよ、ますますの意味。
×印籠(いんろう)を渡す→○引導(いんどう)を渡す
×恨み骨髄に達した→○恨み骨髄に徹(てっ)した
×上前をかすめる→○上前をはねる
×笑顔がこぼれる→○笑みがこぼれる⇒顔がこぼれたら大変。
×押しも押されぬ→○押しも押されもせぬ
×汚名を晴らす→○汚名をすすぐ
×思いもつかない→○思いも寄らない
×恩を着せる→○恩に着せる
×掻き入れ時→○書き入れ時⇒帳簿の記入が忙しくなるから。
×喝(かつ)を入れる→○活を入れる
×金にまかせて→○金に飽(あ)かせて
×彼は語学に堪能(たんのう)だ。→○彼は語学に堪能(かんのう)だ。⇒「フランス料理を堪能する」というような場合は「たんのう」と読む。
×完壁(かんぺき)→○完璧⇒「璧」は「たま」の意味。「完璧」は「傷のない玉」。
×危機一発→○危機一髪(かみのけ)
×疑心暗鬼を抱く→○疑心暗鬼を生ずる
×極め付け→○極め付き⇒極書(きわめがき)が付いている、という意味。
×苦渋を味わう→○苦渋をなめる
×口先三寸(くちさきさんずん)→○舌先三寸(したさきさんずん)
×口をにごす→○言葉をにごす
×公算が強い→○公算が大きい
×ご静聴ありがとうございました→○ご清聴ありがとうございました⇒「清聴」は他人が自分の話を聴いてくれることを敬って言う言葉。
×従来からの問題点→○従来の問題点⇒「従来から」は二重表現。
×シュミレーション→○シミュレーション(simulation)
×照準を当てる→○照準を合わせる
×初期の目的→○所期の目的
×食指(しょくし)を伸ばす→○食指を動かす
×白羽の矢をあてる→○白羽の矢を立てる
×新規巻き直し→○新規蒔き直し
×進退極まる(しんたいきわまる)→○進退谷まる
×寸暇(すんか)を惜しまず→○寸暇を惜しんで⇒「寸暇」は「わずかの暇」。
×双壁(そうへき)→○双璧⇒「璧」は「たま」の意。
×袖(そで)振り合うも多少の縁(えん)→○袖振り合うも多生の縁
×大禍(たいか)なく→○大過なく
×大舞台(だいぶたい)→○大舞台(おおぶたい)
×大別すると3つに分けられる→○大別すると3つになる
×絶えまざる努力→○絶え間ない努力
×高値の花→○高嶺の花
×出花をくじく→○出端をくじく
×手をこまねく→○手をこまぬく
×〜と言えども→○〜といえども(〜と雖も)
×とんぼ帰り→○とんぼ返り
×願わくば→○願わくは
×熱にうなされる→○熱に浮かされる
×ねむけまなこ→○ねぼけまなこ
×〜の恐れがある→○〜のおそれ(虞)がある
×乗るか反(そ)るか→○伸(の)るか反るか
×働きずくめ→○働きづめ
×歯にころもを着せぬ→○歯にきぬ着せぬ
×腹が煮え繰り返る→○腸(はらわた)が煮えくり返る
×万来(ばんらい)の拍手→○万雷の拍手
×被害を被(こうむ)る→○被害を受ける/害を被る
×暇にまかせて→○暇に飽(あ)かせて
×深い絆(きずな)→○強い絆
×不正が明るみになる→○不正が明るみに出る
×物議(ぶつぎ)を呼ぶ→○物議を醸(かも)す
×的(まと)を得る→○当を得る
×まゆをしかめる→○まゆをひそめる
×目覚(めざ)めが悪い→○寝覚(ねざ)めが悪い
×横車(よこぐるま)を入れる→○横槍(よこやり)を入れる⇒「邪魔をする」意味。
×横車(よこぐるま)を入れる→○横車を押す⇒「道理に合わないことを無理に押し通す」意味。

・・・これぜ〜んぶ、私は「×」の方で覚えてました。あはは。