文語調焼け跡歌謡に・・

「宵闇 迫れば 悩みは 果てなし
 乱るる 心に 映るは 誰が影
 君 恋し くちびる 褪せねど
 涙は 溢れて 今宵も 更けゆく」

   〜「君恋し」作詞/時雨音羽(昭和4年)〜

・・・研究のための部分引用は許されると思うので。

最近ちょいとまた、「戦前・終戦直後のジャズ歌謡」に、はまってます。スゥイングジャズ、カンツオーネ、タンゴなど、今は全く廃れたリズム、曲調も気持いいですが、その歌詞。いわゆる「文語調」なんですけど、これがまた、レトロで斬新。読み上げてみても歌ってみても実に気持ちがいい。文語でも伝統的な「七五調」でないところがいい。それでもリズムがちゃんと取れている。作詞家が音楽を知っている証拠ですね。素晴らしい技術です(@@)

それと、必ず情景描写から入っていきますね。花鳥風月の日本の伝統、俳句や短歌のような簡潔性。詞によっては情景描写だけで終わっていて、「誰が、何をした」主体がまったくない場合すらあります。それでも、感動するんですね〜〜。今の若い人は(??)の世界なんでしょうか? (もちろん私も生まれてないですけど)

廃れた、レトロなリズムと文語調、実はここにこそ、何か新しい作詞表現・作曲表現の可能性が、あるかもしれない。そんなことを考えておる昨今です。