「飛騨の円空展」見てきました。


福島県立美術館「飛騨の円空展」を見て来ました。
http://www.minyu-net.com/event/120jigyo/enku/menu.html



今回の展示は飛騨高山の千光寺からの出展が主で、本命となる名古屋の荒子観音寺からの出品は無くそこが残念なんですが、それでも、有名な双面八臂の「両面宿儺(りょうめんすくな)像」「千手観音像」が見られたのは良かったです。


この人の仏像は、菩薩や如来といったいわゆる「メインの仏様」より、不動や力士、それと一番多く彫られたであろう「竜王」など、周辺諸仏や神像の方が魅力的です。今回も不動明王が二体、双方傑作です。


仏様ではなく、歌人柿本人麻呂を彫ったとされる像があってそれも面白い、ちょいとはすに体を崩しながら笑う烏帽子姿で、下衆な俗っぽい粋さがよく表現されていました。このへんの表現性は芸術家だなあと言う感じですね。


どれもあの荒いタッチですが、ただし口角の所は結構丁寧に沈ませて彫ってあるので、 皆微笑みをたたえた嬉しい仏ばかりになっていました。


いや、それにしてもこの大胆なデフォルメは尋常ではなかったですね。時代を飛び越え、現代彫刻にまで影響を与える円空仏。ほんの一端ですが生で見られて良かったです。