相撲問題の心理


・・・大相撲八百長問題。門外漢だけど一言。


当然ながら「厳罰・関係者処分」と「制度・教育的しめつけ&マニュアル化」が行われるでしょう。ただし根幹のシステムとなる階級制度……十両&幕内が「関取」で、三段目以下は半人前扱い……っていうのは、変わらないでしょうね。こういう理不尽とも言えるカースト制度が、力士を追い込んでいる部分もあるのに。そもそもこの事件は、十両の力士が「三段目に落ちると大変だ。落ちる人が少なくなるように、皆で示し合わせをしようね」という狙いで始まったと聞く。そこが肝心なのに。


加害者をかばう意図はない。しかし彼らがどういう意図で、どういう心理で、事に及んだのか。一度彼らの立場に立って、こころに寄り添って、話を聞いてみるべきだと思う。申し開きはさせて、それを協会幹部が聴いておかないといけないと思う。「悪者だ卑怯者だ、解雇しろ追放しろ」で終わったのでは、また同じ事が起きるよ。


誰だって落ちこぼれることは恐い辛い。人間であることを否定されるほどの危機感だ。好景気時代には他の道もあったかもしれないが、今はそれも厳しい。辞めてふるさとに帰ることもできない。いやこれは相撲に限った事ではない。どんな立場の人でも、一度の挫折から立ち直ることが、昔に比べて難しくなったのだ。だから今は皆、たとえズルしても、立場を守りたいのだ。


だから仕方がないとは言ってない。ただ、一つ挫折があっても、人間の尊厳は変わらないのだということと、何より、卑怯なことをすることは、自分の人格を卑しめる、とっても恥ずかしいことだ、ということを、周囲の大人が示してやらなければならない。それが出来ずして、犯人検挙、制度の場当たり的締め付けだけを行っても、全く意味がないのだ。