高嶋ちさ子12人のヴァイオリニスト


イトコのおつきあいで「高嶋ちさ子12人のヴァイオリニスト」のコンサートに行って来ました。


http://www.j-two.co.jp/c-ensemble/


「女子12楽坊のクラシック版かい! 商売だなあ。きれいなおねいさんばかりは嬉しいが(爆)ヴァイオリンばっかり12人はムダのきわみ。ビオラ、チェロもないとは。アンサンブル薄っぺらなんじゃないか。」とか、さんざんな先入観をもって望みました。


私が間違っておりました。すみません。実に楽しめました!


まず、座長(?)の高嶋さんのトーク。さすがタレント業もやるだけあって、しゃべりが上手い! きびきび、しゃきしゃきと、やや早口で、ジョークを交え、会場を笑わせながら進行していく、その手際! これだけでもうステージ芸になっててお金を払った元が取れるくらい(笑)クラシック拒否症の人にも十二分にアッピールします。もちろん、一旦弾き出せば、腕前に文句はありません。


座員のお姉さんがたも、当たり前だが全員音大出。「最初は顔で選ぼうと思っていたが(笑)オーディションしてるとどうしても音と腕前でゆずれない部分が出てくる。だから私(高嶋)の選んだ11人は、断じて実力で選んだんです!」と力説していました。一糸乱れぬユニゾンと、キラキラ色を感じるようなソロパートと、双方バッチリ弾きこなしていました。座長の言葉に嘘はないですね。


で、私の気にしたアンサンブルの問題ですが、これがきめ細かなアレンジを施すことによって、見事に解決していました。ヴァイオリンの12人の他に、男性・イケメンの「ピアノ伴奏者」さんが着いていた。藤満健さんとおっしゃるこの方が、作・編曲家さんだとかで、編曲のスコアを一手に書いているらしいのですね。本来ソロヴァイオリンのための曲「チゴイネルワイゼン」をパート分けしたり、ピアノ曲の「ショパンノクターン」を編曲したり、裏からこのアンサンブルを支えている図式になっているらしいのです。なるほどなあ。脇役だけど大変な役回りなんですね。


途中「安物ヴァイオリンと、ストラディバリウスとの弾き比べ」で、お客さんに音だけ聴かせてどっちかあてさせるコーナーとか、アトラクションも一杯。ヴァイオリンの「各テクニック披露コーナー」では、単なるピチカートを、いかに凄そうに見せるか、キメポーズの作り方まで(笑)レクチャーする。マーチングバンドみたいに会場に降りて隊列を組んで歩いたり、6人+6人の2組みに分かれて振付を合わせたり。さらにアンコールでは、幼稚園児・小学生・中学生と、それぞれがキャラに扮し、子供用のヴァイオリンを取り出し、わざとヒドイ音で「キラキラ星」を弾いたり、はたまたタンゴ専門の過剰抒情ヴァイオリニストとか、演歌専門のヴァイオリニストのキャラまで登場させる始末。いやはや、大変なエンタテイメントですよ。会場中大笑いでした。


確実なテクと音楽性、舞台芸としてのヤマッ気、受けを狙って取る根性と、双方ちゃんと揃って初めて成り立つステージ。いや、本当に恐れ入りました。m(__)m