ママのロックは文化の香り

「元プリンセス×2の奥居香(現姓岸谷)・8年ぶりのライブ」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060604-00000011-dal-ent
2児のママさんかあ。時は流れ、オレも年取るわけだ。

でも自然体で幸せそう。若々しいよね。エレキギターをかついだ時に、昔と変わらずカッコイイのは、努力の賜か天性の美貌か。まあミュージシャンは自由業だし、お金も時間も余裕があるから出来る部分もあるけれど。でも、ミドルエイジの女性達が、家事、育児もやって、も一個、自分の世界をもっていきいき活動していけてるのは、男の側から観ていても気持ちがいいです。

常にワカモノの音楽だったロックが、こうしてミドルエイジ〜じじいのものにまで成熟した。これも文化だなあとしみじみ思う。中年親父とワカモノが同じステージに立つとか、一昔前なら考えられなかったでしょ? 今や、40のママさんがロックしても全然オッケーかっこいいし、親子3代でエレキかついでステージに出るのもアリでしょう。

まーロックって、表面上のスタイルは色々替わったけど、エレキとドラムとを使い、激しい感情をビートで表現する、っていう基本形は、60年代末ぐらいから現在まで、まったく変わっていない。スタイル自体が古典という特殊性もあるけど。

いや、これはロックに限らず、映画や漫画なんかもそうだし、ひょっとしたら、サブカルチャー全般そうなっているのかもしれない。表面のスタイルは変わっても核心は変わらない。だから、結構世代をまたいで共有できる。すくなくても、何をやってるか理解はお互いに出来る。戦中派の私の父母世代と、私らとでは、こんな文化の共有はなかなか出来ない。戦争でひっくりかえって、価値観がまるで違う部分があるからね。

こんな安定した文化を持ったことは、ひょっとしたら明治以降、初めての状態じゃないのかしら?これを文化の停滞と見る向きもあるが、私はそうは思わない。これで普通、いままでがおかしかった。

その裏で、出生率が最低を更新したという。この問題は、立場上私はカヤの外だけど。でも「子供の顔を見た瞬間に、コロッと変わって、育児にどっぷり」だったという奥居香。良いと思う。子育てがいかに毎日感動して素晴らしいものか、彼女のような表現者が、新しいロックの形として、表現すべきだと思う。もちろん、子育て中で、ネット・ブログでの表現を持ったみなさんも。